【お悩み相談】「逃げるが勝ち」はズルいですか?

お悩み相談

 最近、ドッヂボールで遊ぶことが多いという年長の次女。家に帰ってくると「今日のドッヂボールはね、最後まで残ったんだぁ(^o^)」と嬉しそうに話してくれることもある。後々担任の先生に様子を聞くと、どうやら当てられないように逃げまくっていたらしい(笑)

 振り返ると、私自身も人生の辛いことから逃げまくってきた人間の1人だ。「逃げちゃダメだ!」と自分を追い込みすぎているあなたから、「逃げるが勝ちなんてズルい!」と他人を知らず知らずのうちに追い込んでしまっているあなたまで、こんな考え方もあるんだよ程度に知っておいていただけると幸いだ。

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何から逃げているのか?

 「人生の辛いこと」から逃げまくってきたと言っても抽象度が高すぎる。より具体的に言語化してみた結果、大きく分けると以下の2つの事象に分類された。

勝てない相手と争うことから逃げた

 この表現だと時に誤解を生じる。サッカーの試合だと、どんなに強いチームとでも争わなければならないからだ。そんな時は少し言い換えてみてほしい。勝つ確率が低い、相手の土俵で争うのではなく、勝つ可能性が少しでも高い、自分たちの土俵で争え。勝つことが目的ならば。

勝ちから学べることよりも負から学べることの方が多い?

 ここで1つエピソードを紹介しよう。県大会ベスト16まで勝ち上がったチームの次の対戦相手は優勝候補一角のシード校。力の差は明らかだ。ドン引きカウンターサッカーでPK戦に持ち込む(勝つ可能性が少しでも高い自分たちの土俵)か、それとも当たって砕けろハイラインディフェンスで戦う(勝つ確率が低い相手の土俵)か。チーム内で話し合った結果、1つの結論が出た。ドン引きカウンターサッカーで戦うよりも当たって砕けろハイラインディフェンスで戦った方がやってても楽しそうだ。戦い方を決める基準は、想像以上に単純だった(笑)勝ち負けよりもサッカーの楽しさを選んだチームは、0対6で敗退した。(当時のチームにサッカー経験のある指導者はおらず、生徒主体でやっていたということを念のため付け加えておく。)

 高校生活最後となった引退試合は、清々しい負け方だった。そして学んだ。勝ちたいなら辛くてつまらないサッカーをしなきゃいけないこともあるんだなと。更に学んだ。勝ち目が低い相手とやるんだったら、当たって砕けろの楽しいサッカーを選んだ方が負けても後悔は少ないんだなと。やってみてわかったことを学びに変えれば、負けたことは無駄にはならない。

 【失敗は成功のもと】この言葉はよく聞くが、それでも失敗が怖い人には【本当の失敗は、失敗を恐れて挑戦しないこと】という言葉の方が効果的かもしれない。アドラー心理学っぽく言うと【失敗する勇気】だろう。

本来は他者との争いや比較自体しない方がいい

 勝てない相手と争うことから逃げるのもそうだが、本来なら他者との争い(比較)自体しない方がいい。「他者と争う(比較する)のではなく、過去の自分と勝負し(比較し)て成長できているかどうか。」(【自分軸】)そこだけに焦点を当てて全員が日々の練習をしていれば、いつの間にかチームが強くなっていると思う。選手の仕事は「個」として成長を続けること。試合に勝たせるのは指導者の仕事だ。

苦手を克服することから逃げた

 苦手は学生時代に克服しておいた方がいい。学生時代に克服できなかった苦手は、克服することを諦めた方がいい。苦手だけど好きなことなら続けてるうちに得意になる可能性はあるので諦めなくてもいい。でも苦手だし好きでもないなら今すぐやめた方がいい。苦手を克服することは時間が掛かるし、何より精神的に辛い。そんなことに時間と労力を掛けられるほど、現代社会は暇じゃない(笑)だから私は苦手を克服することを諦めた。【苦手を捨てる勇気】再びアドラー心理学っぽく言ってみた(笑)

勝てない相手と争うことから逃げたことで得られたもの

自分の弱みを知ることができた

 限られた時間の中で、早くかつ正確に事務処理を行う。この能力では他の職員には勝てない。組織を変えるためには偉くならないといけないが、この相手には敵わない。そう感じた私は、公務員という枠組みの中で争うことをきっぱりと諦めた。

他者と争うことから逃げたことで得られたもの

自分の強みを仕事にする勇気を持つことができた

 他者と争ったところで、1番になれるものはあるのだろうか?自己肯定感が低い人間だった私は悩みに悩んだ。そんな時、BGMとして流していたYouTubeから、ある音楽が流れてきた。“NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one”『SMAP 世界に一つだけの花 作詞作曲 槇原敬之』

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 あぁ、そういうことだったのか。【ナンバーワンは1人しか目指せないが、オンリーワンならみんなが目指せる】自分の強みと向き合ってそれを仕事にする。たどり着いた答えが「クセが強すぎるサッカーメンタルコーチ」だった。ただのサッカーメンタルコーチではなく、「クセが強すぎる」サッカーメンタルコーチ(笑)これでオンリーワンだ(^_^)v

苦手を克服することから逃げたことで得られたもの

他者へのリスペクト

 苦手を克服することから逃げたということは、得意と苦手がはっきりしているデコボコタイプということでもある。苦手を埋めるには、他者の存在が必要だ。「私は得意と苦手がはっきりしています。得意な面では全力で取り組みます。その代わり私の苦手を埋めてください。私の苦手を埋めてくれてありがとう。」対人の守備には強いが、足元の技術が低いDFの場合を想像してみるとわかりやすいだろう。

まとめ

「逃げるが勝ち」は、ズルくない

 「逃げるが勝ち」は、ズルくない。それどころか『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)。のちに夫婦となった新垣結衣と星野源が共演したドラマでも有名だ。逃げ続けた私にとっては恥ずかしさを感じることもなく、逃げることはもはや戦術の1つと言ってもいいだろう(笑)

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逃げるならとことん逃げた方がいい

 中途半端に逃げるから分からずに終わる。どうせ逃げるなら逃げて逃げて逃げまくれ。1回逃げただけじゃ分からない。50回、場合によっては、100回逃げて初めて分かることもあるだろう。
 逃げ続けてきた私にだから言えること。【自分の居場所がないのなら自分で作ればいい】

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